nico 2020年5月号
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 骨折やねんざをしたときに、整形外科でレントゲンを撮ってもらったことがあるかたもいるでしょう。歯科のレントゲンも基本的には医科と同じで、大原則は「密度が高いものほど白く、密度が低いものほど黒く見える」。骨や歯など、密度の高い組織ほどエックス線という光線を透過しないため白く映り、歯ぐきをはじめ、密度の低い組織ほど光線を透過しやすいので黒く映ります。専門的には、それぞれ「透過性が低い」「透過性が高い」といいます。 まずは歯の構造をご説明しましょう。上の断面図は、むし歯や歯周病のない、健全な歯のイメージ図です。歯の噛む部分(歯冠)には、いちばん外側にエナメル質という非常に硬い組織があり、そのなかに象牙質、さらに内部に神経(歯髄)があります。 一方、歯ぐき(歯肉)のなかに埋まっている歯の根(歯根)はエナメル質はなく象牙質が主体で、その表面を断面図とレントゲンで比較してみよう!密度が高いものほど白く、密度が低いものほど黒く見える。ポイント1断面図(健全な小臼歯)レントゲンで見ると…エナメル質象牙質神経(歯し髄ずい)歯根膜セメント質歯ぐき(歯し肉にく)歯し冠かん歯し根こんあごの骨(歯し槽そう骨こつ)歯科では患者さんのお口の状態に応じ数種類のレントゲン(エックス線写真)を撮影します(p.44参照)。今回は患者さんにとくになじみが深い、歯1本1本の状態を診る デンタル エックス線写真の見かたをご説明します。38

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