nico 2020年6月号
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ます。どちらも口を動かしたり咀嚼をするのに重要な筋肉です。この筋肉のどちらか、あるいは両方が緊張して炎症を起こし、張りやこりとなっているのが「筋肉痛タイプ」の顎関節症です(専門的には「咀嚼筋痛障害」と呼ばれます)。炎症を起こしている筋肉に無理がかかると痛みますし、口も開きにくくなります。 症状の改善には、筋肉をほぐすのが効果的ですので、患者さんには筋肉マッサージや開口ストレッチを繰り返ししていただきます。 慢性的な肩の筋肉のこり(肩こり)が治りにくいように、あごの筋肉のこりも慢性的になると、治りにくくなります。症状が出て数日〜数週間は筋肉痛レベルだったものでも、何ヵ月も放置されると筋肉がこりかたまって、マッサージの効果も出にくくなります。筋肉痛タイプの顎関節症は、早期に対応したほうが治りが早いことが多いです。●側頭筋や咬筋に筋肉痛が起きています(8〜9割は咬筋)。●あごの関節自体には、問題はありません。●側頭筋の痛みは片頭痛に。咬筋の炎症は頬のだるさ、 重さ、腫れぼったさ、顔のゆがみを生じさせることがあります。●筋肉や関節の触診、あごの動きの検査、 レントゲン検査などで診断します。側頭筋が筋肉痛になっているなら側頭部(左写真)、咬筋が筋肉痛になっているなら頬まわりに痛みが出たり、張り・こりを感じます。 痛みのある部分をマッサージして筋肉をほぐしましょう。触ってみるとわかります放置するほど治りにくくなる!側頭筋顎関節側頭筋ならここが痛い!どこに何が起きている?おもにどんな治療をするの?痛みをやわらげる鎮痛剤を飲んでもらいます。飲み薬の服用マッサージやストレッチで効果が上がらない場合、患者さんによっては、筋肉を伸ばしリラックスさせるためにマウスピースを装着してもらいます。マウスピースの装着筋肉をほぐすボツリヌストキシンを咬筋に注射して、筋肉の緊張をやわらげて噛む力をコントロールする治療法もあります。ボツリヌストキシン療法負担をかけ続けると治りません。できるだけ筋肉を休ませましょう。筋肉の安静原因となる癖を改善します(p.20参照)。筋肉に無理のかからない食生活・生活習慣を心がけます。生活習慣の見直しご自分でのケア歯科での治療基本は患者さんのセルフケアです。筋肉のマッサージと開口ストレッチ(p.23参照)を行い、緊張している筋肉をやわらげます。筋肉マッサージと開口ストレッチ咬筋132020年6月号

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