nico 2020年7月号
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Questionうがいがなぜ感染予防に効果的なのかよくわかりました。3密を避け、マスクに手洗い、そしてうがいですね!PatientDoctorところが問題なのが冒頭でお話しした歯周病菌です。歯周病菌が跋ばっ扈こしているお口では歯周病菌の出す毒素が歯ぐきを腫らすだけでなく、細胞のレセプターを隠しているノドの粘液の層を破壊しレセプターをむき出しにして、ウイルスの体内への侵入を手助けしてしまうのです。nswerA最近の研究では、歯周病菌の出す毒素がウイルスの細胞への侵入の手引きをするばかりか、ウイルスのパワーを増強することがわかってきています。歯周病菌の毒素がウイルスの侵入を後押し?!ページでは、ウイルスが口のなかに入ってきても、標的であるノドの粘膜細胞のレセプター(受容体/入口)が粘液によって隠されていて、なかなかすぐには見つけられないとお話ししました。 しかし問題は、冒頭でお話しした歯周病菌です。お口にプラークがたっぷりあり、歯周病菌が跋ばっ扈こしていると、歯周病菌の出す毒素が粘液の層を溶かして壊します。するとウイルスの標的である粘膜細胞のレセプターが丸見えになり、吸着が容易になってしまう。つまり歯周病菌は、ウイルスが素早く体内へ侵入できるように手引きをしてしまうのです。 歯周病菌とウイルス感染の関わりは、じつはこれだけではありません。歯周病菌の出す毒素は、ウイルスのもつ「細胞の入口を開ける鍵」をパワーアップさせてしまうこともわかっています。 こうした歯周病菌の凶悪さは、インフルエンザウイルスの研究によって暴かれたものです。コロナウイルスも、細胞のレセプターに吸着し侵入する点で共通することから、同様に「歯周病菌の手引きを受けている」と見て間違いないでしょう。 お口のなかで歯周病菌が増える原因はお手入れ不足です。歯みがきを怠ってプラークが溜まったり、歯周病菌の巣になった歯石を放置していると、歯周病が起きてしまいます。 身を守るには、マスクに手洗い、うがい、体調管理と3密を避けること。これに加え、「ふだんからお口のなかを清潔にして歯周病を予防すること」とおぼえてください!前14

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