nico 2020年7月号
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ライオン 技術革新の流れに沿って、歯ブラシを並べたものが上の表です。もちろんこれ以外にも歯ブラシは多数ありますが、ここではあくまで開発設計に転換をもたらしたものにしぼっています。壮観ですね。ライオン 順に説明していきましょう。私たちの第1号の歯ブラシは、1914年発売の「萬歳歯刷子」です。これが歯ブラシの基本形となりました。ブラシ部分が独特な形ですね?ライオン 効率よく食べかすを除去するために考案した形だと思われます。用毛には豚毛を使用しています。豚毛ですか。高級そう!ライオン 次が1951年発売の「ナイロン植毛ライオン歯刷子」。それまでのブラシ毛には豚・狸・馬・ヤギなどの毛が使われていたのですが、デュポン社のナイロン毛を植毛する技術を確立したことにより、清掃効果にくわえ、耐久性と均一性のある歯ブラシを量産できるようになりました。なるほど。より多くの人たちの元に届けるには、量産できることが必要ですものね。ところで、いまのブラシ毛もナイロンですか?ライオン ナイロン以外も使われています。システマやクリニカは、ポリエステル系材料です。ライオン それからの技術革新は、1980年発売の「ビトイーンライオン」です。歯と歯のあいだの清掃効果を狙った、山切りカットが特徴です。いまも続くシリーズですね。ライオン はい。ちなみにビトイーンのブラシ毛はナイロンです。そして次は「システマ」。こちらもいまも続くシリーズですが、最初のシステマハブラシは1993年に発売されました。ブラシ毛の先がすごい細くなっ歯ブラシ第1号〜量産体制の確立までブラシ毛の工夫を重ねた 「ビトイーン」や「システマ」1914萬ばん歳ざい歯ハ刷ブラ子シ小林富次郎商店(現・ライオン)が開発。ブラシ毛は豚毛。歯ブラシの基本形に。1951ナイロン植毛ライオン歯刷子耐久性と均一性のあるナイロン毛の植毛技術を採用。国産品はそれまで獣毛だった。ナイロン毛豚毛ライオンの歯ブラシと技術革新量産技術最初の歯ブラシ開発コンセプト40

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