nico2020年10月号
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歯を構成するエナメル質と象牙質。肉眼で見えるレベルから顕微鏡レベルへ拡大すると、どう見えるのでしょう?いざゆかん、ミクロの世界へ。 「エナメル質」や「象牙質」という言葉は、知っているかたも多いでしょう。歯の内部には神経と血管があり、そのまわりを象牙質が、またそのまわりをエナメル質が覆っています(歯ぐきより上の部分の場合)。 でも、エナメル質や象牙質がどんな構造になっているか、ご存知ですか? ちょっと詳しいかたなら、「ハイドロキシアパタイトの結晶からできている」なんてことが思い浮かぶかもしれませんね。 むし歯予防のキーワードである、歯が溶ける「脱灰」と、歯が修復される「再石灰化」。サイエンス的にいえば、脱灰や再石灰化は、エナメル質や象牙質に起こる内部構造の変化です。今月はこの変化をイメージ図だけでなく実際の写真でお見せします。肩の力を抜いて、「こんなふうになってるんだ」と楽しんでいただければうれしいですね。 では、まずは歯の構造をミクロのミリからマイクロ、そしてナノへ。エナメル質象牙質歯ぐき(歯し肉にく)あごの骨(歯し槽そう骨こつ)歯の神経と血管(歯し髄ずい)10mm10μm象牙質エナメル質髪の毛0.05~0.08mm(=50~80µm)右から左に拡大していきます。1μm5μmSEM像TEM像10

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