nico2020年11月号
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Question口腔がんの報道を見ると「怖いな」と思うけれどお口の粘膜って、キズもすぐ治るし、なって困るような異常が起きるのはごくまれなことなのでしょう?レントさんの口腔がんの報道などに触れ、お口の粘膜の健康状態が気がかりなかたが増えていると思います。ただ、「そうはいっても、めずらしい病気だし」「異常があれば自分で気づくだろう」とお思いのかたも多いのかもしれません。 しかし、口腔がんの検査や治療に日ごろからあたっている私たちからぜひお伝えしたいのが、「患者さんご自身がお口の粘膜異常に早期に気付くのは、実際のところとても難しい」ということです。PatientDoctorところがそうでもないんです。口腔がんは増加中ですし最近では持病のお薬の副作用による粘膜の病気も増えています。それに粘膜の病気には口腔がんと見た目がまぎらわしく、詳しい検査をしてみないと正確な診断がつかないケースも多々。油断大敵なんですよ。nswerA たとえば、次ページの上段に出させていただいた口腔がんの写真。ご覧になれば、一見して「なにかデキモノがある」とわかりますよね。 でもこの患者さんたちは、じつはこの状態になるまで気付いておられませんでした。口腔がんは、初期には痛みがなく、ある時点で急にスイッチが入ったように大きくなります。そのため実際のケースでは、痛みやしびれが出るほど進行してから異常に気づくかたのほうが多いのです。 お口のなかは、たしかに見ようと思えば見える場所です。でも舌の横や付け根、歯ぐきの奥まで、日常的に観察する習慣のあるかたは少数派ではないでしょうか。 もともとお口のなかは、熱いもの、冷たいもの、辛いもの、細菌やウイルス、噛む刺激が加わる過酷な場所。口腔がんに限らず、粘膜にはさまざまな変化が起きやすいのです。「たぶん大丈夫だろう」と油断せず、ふだんからかかりつけの歯科で検診を受け、歯だけでなく、粘膜も変化がないか診てもらいましょう!自分のお口のなかをすみずみまで観察するってすごく難しいですよね!粘膜の病気は多種多様。しかも最近増加傾向にあるってご存知ですか?お口の粘膜の病気、じつは自分では気づきにくい?タ10

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