nico2020年11月号
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とが目的ですから、うま味を感じさせさえすればOK。そこで私がおすすめするのが「昆布だし」です。カワキタ え、昆布だしってあの昆布だしですよね?先生 はい。ただ、料理に使うよりうんと濃いめに出した昆布だしです。つくりかたは←をご覧ください。カワキタ なになに……? 水500mLに昆布30gというとかなり多いですね! ふつうにだしを取るときは水1Lに昆布10〜20gくらいですけど。先生 ええ、かなり濃いです。この濃いめに出した昆布だしには、うま味(グルタミン酸)が濃縮されています。これをお口に含んで、ペッと吐き出すんです。カワキタ 飲むのではなく?先生 小唾液腺に刺激を与えることが目的ですから、飲む必要はありません(飲んでもいいですが)。お口にまんべんなく行き渡らせたら、そのまま吐き出してください。カワキタ ワインのソムリエみたい。先生 そしてお口に含んだ際は、「ジュワッと唾液が出る」のを意識します。これを1回30秒、1日10回ほど繰り返してください。カワキタ 10回も?!先生 最初に「唾液は自律神経の働きで出ている」といいましたが、ドライマウスになっている人は、体質や持病、お薬、ストレスなどのせいで自律神経にトラブルが起き、「唾液を出せ」という正常な命令が出せなくなっています。昆布だしのうま味による刺激には、唾液腺を直接的に刺激するほかに、唾液の出る感覚をからだに取り戻してもらう目的もあるんですよ。だから、1日10回ほどの反復練習が大事なんです。カワキタ 繰り返して、からだに感覚を思い出させるんですね。先生 反射機能の訓練ですから。ただ、「お口の渇きがよくなったな」と思えても、2〜3ヵ月は続けてほしいです。すぐにやめるとまた元に戻ってしまいますので。決め手は昆布だしにあり!昆布だしのつくりかた昆布だしを使った小唾液腺のリハビリ法水500mLに、細かく刻んだ昆布を30g入れる。1昆布だしをペットボトルや水筒などに入れて携帯する。1そのままひと晩浸す。21日10回程度、30秒ほど口に含んで味覚を刺激する。2Do it!Make it!●昆布だしは栄養分が多いので、細菌が繁殖しやすいです。異臭がしたり、味が変わったら悪くなっています。●冷蔵庫で保存して、毎日使う分をペットボトルや水筒に移して携帯すると日持ちします。●塩味が濃すぎるようなら別の昆布に。うま味より塩味がメインになると、唾液が出なくなります。point●からだに唾液を出す働き(唾液反射)を思い出させる訓練ですので、反復練習あるのみ。まずは2ヵ月を目標に。●だしの温度は温かくても冷たくてもOK。おすすめは常温です。●唾液の出る感覚が戻ってきたら、20gや10gへと昆布の量を減らしてもよいでしょう。pointⒸNPO法人うま味インフォメーションセンタージュワッと唾液が出る感覚を味わいましょう。412020年11月号

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