nico2021年2月号
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 歯の根の治療はどのように進むのか。最初に「治療前」の状態を見てみましょう。エナメル質から象牙質にむし歯が広がり、細菌が神経にまで入り込みました。感染により神経に炎症が起き、根の先には膿が溜まっています。 歯の根のむし歯は非常に強い痛みを生じます。痛みの原因は2つあり、1つは「神経が死ぬときの痛み」。神経が細菌感染を起こして死んでいくときに痛みが生じます。いわば神経が断末魔に上げる悲鳴です。 もう1つは「膿があごの骨を圧迫する痛み」。歯の根のむし歯が進行すると、細菌が体内に入り込まないように、根の先が免疫と細菌の戦場となります。両者の死し骸がいは膿になりますが、その膿が膨らんでくると、あごの骨のなかで圧迫痛を生じます。 むし歯のこれ以上の悪化を防ぎ、痛みをなくすには、根管のなかから細菌を取り除かなくてはなりません。エナメル質膿のかたまり死んだ歯の神経象牙質根管側枝奥歯の溝から内部にむし歯が広がっています。レントゲン写真。むし歯が神経にまで及んでいます。●細菌の感染(=むし歯)がエナメル質と象牙質を超えて、歯の神経にまで及んでいます。●歯の根の先には、膿が溜まっています。STEP痛みは神経の断末魔?! 治療前1ZOOM UP! 細菌たちのようす神経をむさぼりながら感染部分(=棲み処)を広げていきます。実際の写真 (実物大)むし歯ココハ楽園!安全ヌクヌク!神経根管内の細菌―それが元凶です。152021年1月号

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