nico2021年8月号
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はじめての永久歯は6歳臼歯より前歯が先に生えるようになりました。乳歯の生える時期が、数十年のあいだにそれほど変化していたとは驚きです。永久歯にも何か変化は見られましたか?有田 乳歯と同様、永久歯も生えはじめの年齢が早まり、奥歯まで全部生え終わるのが遅くなっていることがわかりました。それと、もうひとつ注目すべき変化がありました。どんな変化でしょう?有田 永久歯といえば、長らく下あごのいわゆる6歳臼歯(正しくは第1大臼歯)がいちばん先に生えてくるとされてきました。ところが今回の調査では、「下あごの前歯(中切歯)のほうが先に生えた」というお子さんが約70%もいたのです。えっ、はじめての永久歯は6歳臼歯だとばかり思っていました。有田 じつは30年前の調査でもすでに変化は起きはじめていて、「6歳臼歯が先」と「前歯が先」が半分ずつだったんです。今回の調査では完全に逆転していました。なぜなんでしょう? 不思議ですねえ。有田 変化の理由については明らかではありませんが、乳歯同様、奥歯の生えるのが遅くなっていることと関係しているのでしょう。たしかに共通していますね。有田 1世代で起きる変化としてはあまりにも急なので、おそらく遺伝永久歯の生える順番がこの30年で急激に変化!はじめて生えた永久歯は?ほぼ同じ割合30年前(昭和の終わり)の調査80年前(戦前)の調査下あごの前歯下あごの前歯下あごの6歳臼歯下あごの6歳臼歯今回(2018年)の調査逆転!男の子の70.8%女の子の63.3%下あごの前歯下あごの6歳臼歯こちらが多かった42

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