nico 2022年3月号
7/9

根こ膜ま」という組織が、歯の根の表面くんうつ歯ぐきは、歯と同じくらい身近なものですが、よく考えたらあまり知らない気がします。どういう存在なんでしょう?小島役割を3 ではつまごず説は明し、歯まぐしきょ(う歯。肉そ)のれは❶歯を支える、❷内部の組織を守る、❸血管の通り道となることです。❶歯を支えるというのは想像できますね。歯は歯ぐきに植わってますから。小島 そうですね。でも、歯ぐきのみで歯を支えているわけではありません。歯を支えるいちばん大きな存在は、「あごの骨」(歯し槽そ骨こ)です。歯ぐきのなかにはあごの骨があり、ここに歯の根が植わっています。ふつうは目に見えない部分ですね。この骨に歯がくっついている?小島 と思うでしょうが、直接くっついているわけではありません。「歯しにある「セメント質」とあごの骨をつないでいるのですよ。歯根膜には非常に細かい線維が走っていて、縫物のようにセメント質とあごの骨をつないでいます。2つを縫いとめているんですね。小島 はい。縫いとめられているおかげで、噛む力がクッションのように受け止められるのです。そして、あごの骨を覆っているのが歯ぐきです。歯根膜ほどの強さではないですが、歯ぐきも歯の根とくっついています。こうした歯を支える組織は、まとめて「歯周組織」と呼ばれます。歯を支えているのはもっぱらあごの骨で、それを覆っているのが歯ぐきですか。小島 歯ぐきによって覆われていることは、じつはすごく大事なことです。お口のなかは、唯一常に外界と接している部分ですから、外からくる細菌の脅威に絶えずさらされています。だから、細菌が内部の組織、つまりあごの骨や体内にいかないよう歯を支える歯周組織のひとつバリアとしての役割も内部の組織を守る断面で見てます!縫物のようにつないでいます。40上皮組織結合組織付着上皮あごの骨エナメル質象牙質歯の神経(歯髄)セメント質セメント質歯の根の表面にあるごく薄い組織。今回の主役歯ぐき(歯肉)あごの骨を覆う組織。歯周組織の最表層にある。上皮組織と結合組織から成る。あごの骨(歯槽骨)歯を支える骨。PICK UP歯根膜のしくみ歯根膜セメント質とあごの骨をつないでいる組織。歯周組織の構造

元のページ  ../index.html#7

このブックを見る