磁性アタッチメント
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23 磁石構造体とキーパーとの間に生じる吸引力(維持力)は,その接触面積が大きいほど大きくなる.したがって,直径が3/4になると吸引力は約55%に減少することになる(図35,36).解 説キーパーの径を小さくすると維持力はどれだけ下がるかマグネットキーパー(gf)(mm)1,0008006004002000012ズレの程度吸引力45154015351530150.5mm1.5mm図35 維持力は,両者が水平的なズレがなく最大面積で接触しているときに最大になるが,水平的にズレて接触した場合にはその接触に応じた維持力となり,その大きさは小さくなる.図36 磁石構造体とキーパーの間に垂直的な間隙がわずかでも生じると吸引力は大幅に低下するが,水平的なズレによる吸引力の低下は接触面積に対応するため,ゆるやかになる(藍,平沼 19981). 磁性アタッチメントでの大きさの調整は,キーパーは可能であるが,磁石構造体ではできない.なぜ磁石構造体は触れないか?:これは磁石構造体がとくに吸着面部においてきわめて薄い金属の外壁(ヨーク)により覆われているからで(図33),これをポイントなどで削除すると,穿孔して内部の磁性体の腐食や劣化を招くおそれがあるからである.このことは,義歯の調整時などにおいても十分注意する必要がある.キーパーの形態修正時の注意:キーパーの修正においては,吸着面の大きさを変えることはあっても,平坦面を変えることがないように注意する(図34).これは,接着面積をできるだけ維持するためである.解 説磁性アタッチメントの大きさの調整図33 磁石構造体.とくに吸着面部においてきわめて薄い金属の外壁(ヨーク)により覆われている.図34 キーパーの修正時,吸着面の大きさを変えることはあっても,平坦面を変えてはいけない.

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