歯科医師のための睡眠医学
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648閉塞性睡眠時無呼吸(OSA)における上気道の画像検査音響反射法 音響反射法は無侵襲な画像検査で,上気道構造物から反響した音波の分析に基づいている.反射音波の位相と振幅は気道の断面積の決定に用いることができる.この技術は通常は経口で行われ,被曝がなく短時間かつ再現性が高いため上気道の動態撮影が可能である.しかし,音響反射法では気道構造ならびに解剖の直接の情報をもたらすことはできず,軟組織構造も観察できないが,気道腔の大きさのみが示される.加えて,開口により上気道の外面形態が変化するにもかかわらず,起床した状態の坐位でマウスピースを使用して行われる.音響反射法を用いた研究で,無呼吸を有する被験者において上気道の面積が対照群と比較して狭いことがわかっており,この方法はこれまでに主として研究手法に用いられてきた5.図8-1 (a)頭頚部の側面X線像,(b)頭部X線規格像の解析における略語.(Na)Nasion:前頭鼻骨縫合の最前点,(ANS)anterior nasal spine:前鼻棘,(A点):前鼻棘と歯槽の間の上顎骨の彎曲のもっとも深い部分,(PM)suprapogonion(オトガイ隆起):下顎正中の前方限界の彎曲部で凹面から凸面へと変化する部分,(Pg) Pogonion:midsagittal symphysisの最突出点,(Gn)gnathion:下顎正中のもっとも下方と下顎下縁の最下点を結ぶ接線とNa-Pg平面との交点,(Go)Gonion:下顎頭の最遠心面と下顎枝の遠心の縁を結ぶ線(下顎枝後縁平面)と下顎骨下縁の平面(下顎下縁平面)の交点,(Po)Porion:外耳道の最上端,(Ba)Basion:後頭孔の最前縁の最下点,(point Pt)pterygoid:翼状突起,(point CF)center of face:Po-Or平面とPtを通る垂線の交点,(point CC)center of cranium:Ba-Na平面とPt-Gn平面の交点,(point DC)center of the neck of the condyle:下顎頸部の中央,(point Xi):下顎枝の幾何学的中央,(PNS)posterior nasal spine:後鼻棘,(Or)orbitale:眼点,(S) sella:トルコ鞍.NaSPoBaPtCCDCCFPNSXiGoOrANSAPMPgGnba

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