矯正歯科装置の技工ガイドブック
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13分類ー矯正装置 305、306ナンスホールディングアーチNance Holding ArchA0021.使用目的1主に抜歯ケースに使用され、臼歯部の近心移動の防止。ブラケットとも併用されることが多く、加強固定の装置として使用される。2臼歯部のわずかな拡大や臼歯の回転を容易にするための固定源として用いられる。2.利点1固定式では、患者さんの協力を必要とせずにその効果を得ることができる。 2装置自体が比較的小型のため異物感が少なくて済む。3固定式、可撤式を選択できる。3.欠点1発音に多少の違和感を覚えることが多い。2初期段階においては臼歯部の後戻りする力や、ワイヤが舌に当たるなどのため痛みを感じることがある。3ナンスボタンの部位が不衛生になりやすい。1.臨床家の先生へ1自院で製作される場合のポイント ① レジンパッドは切歯乳頭を避ける位置に設定する。 ② ワイヤは異物感がないように、フィットさせる。2技工所へ依頼される場合のポイント ① 口蓋部にレジンパッドがつくので、その部分の印象は明確に採る。 ② 可撤、固定やリバース、ストレートタイプなど設計が多岐にわたるので明確な指示をだす。Ⅰ 臨床Ⅱ 技工2.製作手順1正中にオメガループを屈曲する。2ナンスボタンが切歯乳頭にかからない位置に設定し、その中央にオメガループがくるようにする。3オメガから口蓋粘膜に沿わせ、バンドに向かって屈曲する。リバースタイプの場合は大臼歯遠心まで伸ばし、そこから折り返してバンドに沿わせるようにする。4ワイヤを固定し、ロウ着。バンドを掘り出し研磨を行う。5模型上にバンドを戻し、変形がないかを確認。6分離材を塗布し、ふりかけ法にてレジンボタンを築盛。加圧釜にて重合。形態修正後、通法に従い艶出し研磨を行い完成。レジンパッドは切歯乳頭を避ける位置に設定し、ワイヤは粘膜になるべく沿わせる。製作手順305ナンスホールディングアーチ306ナンスホールディングアーチリバースタイプ**: ナンスホールディングアーチリバースタイプ(306)形状 ワイヤが大臼歯の遠心からロウ着されている。機能 大臼歯を遠心移動、もしくはアップライトすることが可能である。POINT!145623

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