矯正歯科装置の技工ガイドブック
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97C002分類-保定装置 802、804、806ラップアラウンドリテーナーWrap Around Retainer(Begg)1.使用目的1 ベッグタイプリテーナー、サーカムフィレンシャルリテーナーとも呼ばれ、動的矯正治療終了後の保定装置として使用する。2 多数歯の動的矯正治療終了後に用いることが多く、主に永久歯列に使用する。2.利点1 歯列弓全体の保定ができる。2 可撤式で清掃しやすく上下顎ともに用いることができる。3.欠点1 矯正用線が唇頬側全体を取り囲む形態であるため、使用中に変形する可能性が比較的高く、取り扱いに注意が必要である。1.臨床家の先生へ1 自院で製作される場合のポイント ① 全周ワイヤで取り囲むためワイヤ調整時に変形する可能性が高いので、製作時のワイヤ屈曲は慎重に行う。 ② 着脱に支障がないようリリーフ、ブロックアウトを与える。2 技工所へ依頼される場合のポイント ① 歯冠、歯肉ともに印象を明確に採る。 ② 各ワイヤ設定位置にワイヤの通るスペースがあるか、対合関係を注意する。Ⅰ 臨床Ⅱ 技工 ③ 歯冠長が少ない場合などはクラスプを併用し、維持力を得られるよう注意して設計指示を行う。 ④ 動的治療終了時にブレース、バンドを外さずに印象した場合は、模型上のブレースなどを正確に削除する。2.製作手順1 模型をトリミングし、バリや気泡を除去する。2 設計線を記入する。 3 唇側線、クラスプなど各ワイヤを屈曲し、分離材を塗布する。4 レジンの築盛をする。外形線に沿ってふりかけ法により矯正用レジンの築盛を行う。5 加圧釜にてレジン重合後外形線を基に形態を修正し、通法に従い艶出し研磨を行い完成。ワイヤ、レジン床が対合歯と干渉しないように注意する。製作手順14253POINT!

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