インプラントファーストステップのためのQ&A135
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10第1部 スムースなインプラントの導入─診断そして埋入─①どんな症例から始めるか?─やりやすい症例の選択─「やりやすい症例」とは?「満足が得られやすい症例」とは? 第1に患者の主訴や要求が明確かつ把握しやすく、満足が得られやすい症例が向いています。 第2に解剖学的な重要構造物、たとえば下歯槽神経や上顎洞などに対する損傷のリスクが少ない部位がやりやすいと言えます。 第3に手術部位がはっきり直視できるような、術野の視界確保が容易な症例が向いています。 最後に、補綴が容易で、審美的要求レベルが低い症例がやさしいと言えます。以上の4点が満たされている症例が、やりやすい症例ということになります。 このなかで、とくに「満足が得られやすい症例」という項目は重要です。 たとえば「奥歯で噛めない」というような主訴が明確かつ具体的な症例ほど、患者の満足を得ることは容易です。また、審美的な主訴と比較して、咀嚼機能の回復に関する主訴のほうが一般的に容易に解決できます。 逆に主訴が抽象的で多岐にわたり、審美性に対するこだわりが大きい症例は、たとえ歯科医 インプラントはほとんどの欠損症例に対して成功を収めることのできる有効な治療法です。しかし数多くの症例に取りこぼしなく対応していくためには、取り組みやすい症例から始めて、徐々に難症例へとステップアップしていくことが望ましいでしょう。前回の手術で培われた自信と技術が次回の症例の克服へとつながっていくからです。そこで、初めて行う症例の選択が重要になってきます。ここではどのような症例がインプラントをこれから始めようとする際に適切かを解説します。Q1-1-1A1-1-1Q1-1-2A1-1-2●第1部

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