インプラントファーストステップのためのQ&A135
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54④どんなデザインの補綴にするか?─インプラント補綴設計での配慮─ ブリッジタイプの利点には、埋入位置の自由度が高いことがあります。たとえば欠損では、インプラントの根尖側が干渉して、インプラントが3本入らない場合もあります。そのような場合はブリッジタイプでの対応となります。また、インプラント間の骨を保存するためにはインプラントの間に十分な距離、臨床的には3mm以上を設けて十分な骨の量を確保することが必要です1。ポンティックを利用して歯頚線の左右対称性を演出できるなどの、審美性追及に有利なこともブリッジタイプの利点です(図2‐4‐1a、b)。 ブリッジタイプの欠点としては、ポンティック下部への食片の侵入、清掃性の悪化、発音障害のリスクなどが挙げられます。とくに前2者の問題点はインプラント周囲炎につながる可能性があるので、清掃性に十分配慮した設計を行わなければなりません(図2‐4‐1c、d)。 骨の高径が少ない場合には、ブリッジタイプにして支台数を少なくするより、ショートインプラントを残存歯数分埋入して予知性を向上させるといった配慮も必要です(図2‐4‐1e)。 インプラント補綴の特徴のひとつは設計に大きな自由度があることです。通常の補綴では支台歯の配置などによって設計が制限されますが、インプラント補綴では支台、すなわちインプラントの配置は術者の裁量に委ねられるために自由度が生じます。 翻って、これは埋入手術の段階から補綴を考えねばならないという新たな制約を発生させています。ここではインプラント補綴設計上の基本的な配慮を説明します。Q2-4-1A2-4-1複数歯欠損のときには要所にインプラントを埋入してブリッジタイプにするべきでしょうか? それとも欠損歯数分埋入すべきでしょうか?図2‐4‐1c、d インプラントを欠損歯数使用した症例。図2‐4‐1a、b 審美部位にブリッジタイプを適応した症例。abcde図2‐4‐1e ショートインプラントを複数使用した症例。●第2部

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