YB2012ここまで使えるコンポジットレジン
3/8

28Part2 臨床家・大学人14人の“MI新時代のコンポジットレジン修復ダイジェスト”必ずCR修復:◎ 条件によるが通常はCR修復:○ Questionable:△ CR修復は避けたい:×「過去の考え(2005年)」「現在の考え(2012年)」「自身の臨床における将来展望(2020年)」の3つに分けて判定.前歯部隣接面う蝕(切縁隅角を含む)および破折 筆者は,CRのワンユニットブリッジを除いて,すべての単独歯の歯冠修復がCRで可能と考えている.その背景には,接着性と材料学的性質が飛躍的に高まったことがあげられる.具体的には,Ⅳ級や正中離開などにおける修復物の維持や形態保持性が接着力と機械的強度の改善で高まった.CRの変色の問題がほとんどなくなったことも大きい.積層充填に代表されるように,CRの審美性はポーセレンワークに引けをとらない.また,近年開発されたマトリックスはバラエティに富んでおり,比較的困難であった大きなⅡ級窩洞のコンタクトの回復,フロータイプのCRとペーストタイプのものを組み合わせることで,形態を作るあるいは変えることが容易になった.しかし,CRワンユニットブリッジは,咀嚼による脱落の問題に対して長期間耐えるほど予知性を有していないことを経験している.4. 間接法適応範囲とも考えられる形態への見解理由:CRの脱離が起こり,患者の希望があれば,ポーセレンジャケットに移行するかもしれない. ○○○分類Ⅴ理由:MIの概念から遠ざかるので,できれば避けたいが,クラウンよりはMIに近い. ○○○分類Ⅴ─コンポジットベニア分類Ⅳ辺縁隆線が一部欠損している(接触点が崩壊している)理由:現在のCRであれば,臼歯部でも長期間の摩耗に耐えると考えている. 臼歯部隣接面う蝕(Ⅱ級)○◎理由:過去,現在,未来いずれもCR以外に考えられない. ◎◎◎◎過去過去現在現在将来将来分類Ⅲ辺縁隆線が大きく欠損している理由:マトリックスの進歩により,コンタクトの回復がスムーズに行えるようになった.しかし,CRと歯の破折に注意. △○○分類Ⅳ修復・補綴のボーダーラインと考えられる形態への私のジャッジ理由:捻転の程度による.矯正が第一選択になることもある. ○○○過去現在将来その他捻転歯理由:矯正は後戻りがあるので避けたい.CRの超適応症と思っている. ◎◎◎正中離開歯理由:CR以外での処置は考えられない. ◎◎◎矮小歯理由:筆者の経験と技術では,咬合力で脱離が起こりやすい. △△△CRワンユニットブリッジ理由:失活歯であれば,ウォーキングブリーチでほぼ確実,簡単に漂白が可能. ◎◎◎変色歯

元のページ 

10秒後に元のページに移動します

※このページを正しく表示するにはFlashPlayer9以上が必要です