YB2012ここまで使えるコンポジットレジン
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170Part3 海外ではすでに1999年からCRが主役にが,これらを踏まえて改めて本書に目を通すことで,CR修復の過去,現在そして未来が見えてくるのではないだろうか. 本稿は,“Adhesive Metal-Free Restorations──Current Concepts for the Esthetic Treatment of Pos-terior”を,現在の歯科技術を加味しながら,とくに直接法によるCR修復について要約した.さらに,歯科材料研究に関する最新の知見をもとに加筆したものである.Why Carry Out Esthetic Bond-ed Restorations in Posterior Teeth?(臼歯部への接着性審美修復の応用) う蝕の減少と歯質接着性材料の進歩によって,今日の修復治療のコンセプトは大きな変革を迎えた.これにともなって,臼歯部修復に要求される事項にも変化が認められ,従来からのメタル修復では到底それらを満足させるものとはならなくなってきた(図1).とくに,金属修復物に関する患者側の認識として,安全性の面からもこれを受け入れがたいとはじめに コンポジットレジン(以下,CR)修復の臨床応用にあたって,その適用範囲を熟考することは重要であり,そのための指標を明確にすべきである.しかも,その判断基準は,自分自身の臨床経験だけに依るべきものではなく,学術的な根拠がそのベースとなるべきである.そのような観点から,本書はCR修復を行うにあたっての重要な指標として位置づけられている.もちろん,内容の一部に関しては,これが著されてから10年を超える時を経ていることもあり,修正すべき点も見受けられる.材料学の進歩とともに,CRの歯質接着性や機械的性質が向上した『Adhesive Metal-Free Res-torations』を現在の材料技術から読み解く宮崎真至日本大学歯学部保存学教室修復学講座連絡先:〒101‐8310 東京都千代田区神田駿河台1‐8‐13Masashi MiyazakiSuggested Indications of Resin Composite Restorations from the “Adhesive Metal-Free Restorations”◆著者紹介1987年 日本大学歯学部卒業1991年 同大学院修了,博士(歯学)1991年 同大学歯学部保存学教室修復学講座助手1994年 米国インディアナ州立大学歯学部留学(~1996年)2003年 同歯学部保存学教室修復学講座講師2005年 同歯学部保存学教室修復学講座教授 現在に至る◆主な著書『コンポジットレジン修復のサイエンス&テクニック』(小社刊)

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