バーティカルオグメンテーション
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5章2 バーティカルボーンオグメンテーションで使用する材料の種類と特徴101サンドウィッチバーティカルボーンオグメンテーション症例(図5-2-1~6)ステップ2:第二層(図5-2-2a~c)図5-2-2b 吸収性HA。OSTEOGEN®(IMPLADENT社製:米国)。人工合成の吸収性ハイドロキシアパタイト。多孔性の結晶構造を持つため骨細胞の浸透性に優れる。直径300~450μm。図5-2-2c 非吸収性HA。Osteograft S-D®(日本メディカルマテリアル社製:日本)。1,300℃の高温焼成で合成されている。多孔質の顆粒状。骨組織に対して良好な組織適合性をもつ。直径300~850μm。図5-2-2a DFDBA5割、吸収性HA3割、非吸収性HA2割のコンポジットボーンを填塞。DFDBAは骨誘導能をもち、速い時期に新生骨に置換する。吸収性HAや非吸収性HAの周囲が新生骨で満たされるには時間を要するためscaffold内のスペースメイキング材料として機能する。ステップ3:第三層(図5-2-3a~c)図5-2-3b PRPをメンブレンの内側と外側に填塞する。PRPに含まれる成長因子のα顆粒が骨再生に有効に働く。図5-2-3c 左はフィブリンが多く含まれるPPPジェルに対し、右は多血小板血漿が多く含まれるPRPジェルである。図5-2-3a 3層目(外側)には非吸収性HAを口腔内に填塞する。外側に置くことで将来の骨吸収を防止する。ステップ1:第一層(図5-2-1a~c)図5-2-1a 自家骨は骨再生に欠かせない骨形成能をもつ。また、DFDBAは、骨誘導能をもつため、インプラント周囲に移植するには最良である。図5-2-1b トレフィンバーで採取した自家骨。自家骨は骨形成能、骨誘導能、骨伝導能の3つを有している。インプラント周囲の骨欠損に対する補填材料として最良である。図5-2-1c 他家骨(DFDBA:脱灰凍結乾燥他家骨移植材料、OraGRAFT®(LifeNet社製:米国)。ヒトの腸骨(海綿骨)あるいは脛骨(皮質骨)から精製される。他家骨移植材料として海外で長期的な臨床実績がある。 一方、コンポジットボーンは、非吸収性HA、吸収性HA、DFDBAまたは自家骨と混合されているため吸収されにくいという特徴をもつ。同時に非吸収性HAは、吸収性HAや他家骨が骨に置換するための足場となるスペースを確保し、HAをコアとした骨のリモデリングがスムーズに行われる10)。

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