インプラント長期症例成功失敗の分岐点
4/8

72はじめに 筆者がインプラント治療をスタートして、やがて30年の歳月が流れようとしている。 その間、インプラント体・補綴装置や治療法もさまざまな変化を遂げてきたが、特に大きな変革の一つが、CTによる画像診査・診断と、3Dシュミレーションソフトによるバーチャルプランニングと、それによって作製される手術用テンプレートを用いたガイド手術であろう。その結果、今後のインプラント治療はより確実性の高い治療法として評価されるようになると思われる。 しかし、いくらCT画像による診査・診断と3Dプランニングの技術が向上したとしても、全身的評価においてのリスクファクターの掌握と、インプラント埋入計画の段階でのインプラント治療のガイドラインを遵守した設計を生かさなければ、それらは無意味なものになってしまう。そこで、本稿では全身的評価段階とインプラント埋入計画(設計)段階においておさえておかなければならない項目である、①全身的および局所的リスクファクターの回避②3D画像診査・診断をどのように生かすのか③ 設計におけるシュミレーションソフトと手術用ガイドの活用について考えてみる。全身的および局所的リスクファクターの回避1)文献からみるリスクファクター 今日、インプラント治療の成否にどのようなリスクファクターが存在し、インプラントの成功にどの程度かかわっているのかについては、多くの研究から明確にインプラント診査診断と3D設計の立場から中村社綱(Takatsuna Nakamura)(デンタルコンセプト21最高顧問、インプラントセンター・九州)●略歴1975年 神奈川歯科大学卒業 同年 九州大学歯学部口腔外科学教室入局1977年 九州大学文部教官助手1980年 九州大学歯学部口腔外科学教室専攻生 熊本県にて歯科医院開設1998年 神奈川歯科大学口腔解剖学教室研究生1994年 学位取得(神奈川歯科大学)1998年 インプラントセンター・九州開設現在、九州大学臨床教授、デンタルコンセプト21最高顧問

元のページ 

10秒後に元のページに移動します

※このページを正しく表示するにはFlashPlayer9以上が必要です