歯周-矯正治療 STOP&GO
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2矯正歯科治療を中断する症例86生理的動揺を超える歯の動揺 矯正歯科治療中の歯は,歯根膜が伸展しているため,治療前の状態と比較して大きな動揺度を示す(図4). 大きな動揺度を示している原因が,矯正歯科治療に起因するものか,外傷性咬合に起因するものかによる判定が必要である.前者の場合,歯を移動させずリモデリングの期間を長くしておくと治まる.後者の場合,原因である干渉している部位を咬合調整して,観察していると大きな動揺は治まることが多い.歯肉の退縮,歯根露出 上顎犬歯や下顎前歯部の唇側歯肉部に歯肉退縮や歯根露出がみられることがある(図3).歯槽骨の限界を超えて,歯根を移動させようとした場合に認められる.とくに無理な非抜歯による配列を行った場合,歯槽骨の幅が狭い部位で,歯根を頰側に移動させた場合に認められることが多い.歯の移動を中止し,治療計画や治療予定の見直しが必要と考えられる.図3 歯肉の退縮と歯根露出.図4 生理的動揺を超える歯の動揺.

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