歯周-矯正治療 STOP&GO
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87Chapter5/Stopサインの症例顎位の変化 術中に顎位が変化すると(図6),予定どおりに矯正歯科治療を行うことができなくなる場合もあるので,術前に十分に中心位と習慣性の咬合位の“ズレ”について診査をしておく必要がある.この認識をしていなかった場合は,歯の移動を中止し,まず治療計画や治療予定の見直しをすることが必要と考えられる. また,治療中に早期接触などで咬合が不安定になることがあるため,必要に応じて咬合調整を行いながらすることが必要である.また,予期しない顎関節部の吸収が生じた場合も,顎位が変化するため,顎位が変化した原因をしっかりと認識しておく必要がある.痛覚や温度感覚の異常 歯肉から歯根が触れたり,歯肉の退縮,歯根露出した場合の症状として,稀に根尖部にわずかな刺激が加わると“痛み”として伝達される場合がある(図5).矯正歯科治療を中断し,治療計画や治療予定の見直しが必要と考えられる.非常に不快な症状のため,場合によっては,歯髄処置が必要となる場合もある.図5 根尖部にわずかな刺激が加わると,“痛み”として伝達されることもある.図6 顎位の変化.

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