インプラントYB2012
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167テンプレートを骨ネジにて固定し(症例1-g)て,ExpertEaseシステムの埋入手順に従ってドリリングとタッピングを行い,インプラントを埋入した(症例1-h).このシステムのドリルには内外部注水機能が備わっているため,骨孔の形成にともなう骨のオーバーヒートの危険性を小さくすることができると期待できる(症例1-i).また,ツイストドリルにスリーブを装着できるため,手術時の操作性が他のガイドシステムと比べてすぐれている(症例1-j).インプラントにはジンジバルフォーマーを取り付けて縫合し1回法とし,既存の床義歯内面に軟性樹脂を裏装してインプラントに過剰な負荷が加わらないように配慮した(症例1-k).3ヵ月後には,MPアバットメントをインプラントに装着し,印象用コーピングを用いて精密印象と咬合採得を行った(症例1-l).上部構造はボーンアンカード・ブリッジとしたが,そのフレームワークはISUSシステムによるチタンフレームワークを使用した.フレームワークの重量は9g(上部構造の総重量20g)と従来の金属と比較して著しく軽量化できた(症例1-m).上部構造装着時においても,ネジを締め上げる際の剛性感が高く,上部構造とアバットメントの適合ザイブインプラントシステム症例1-h①症例1-h②症例1-e まず歯槽頂切開を行い,オトガイ孔を位置を確認したのちに前方に縦切開を行った.骨面支持型の外科用テンプレートを使用する場合には,縦切開は必須となる.症例1-f 骨面上でのテンプレートの位置的安定性を確認しているところ.症例1-g 骨ネジにてテンプレートが固定されたところ.これにより,これ以降のExpertEaseの手術工程において,テンプレートの動揺を防ぐことができる.症例1-h① クレスタルドリルによる皮質骨の形成を行った後に,タップを形成する.経験的には,下顎においてはほとんどの症例においてタッピングの必要がある.一方,上顎においては,タッピングが必要な症例は少ない.症例1-h② インプラント埋入にカバースクリューを装着した状態.症例1-i ExpertEaseの外科キット.すべて内外部注水式となっており,ツイストドリルのドリリング時のオーバーヒートを極力防ぐように配慮されている.症例1-j デモ用模型を使用したドリリングの様子.専用スリーブがツイストドリルに装着されるため,スプーン(ガイディッド・ドリルガイドなど)が不要となり,外科的なハンドリングが良好である.症例1-k カバースクリューを外し,ジンジバルフォーマーを装着して縫合する.

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