今後の難症例を解決する総義歯補綴臨床のナビゲーション
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技工編215Ⅸ.最終義歯咬合調整と完成 粘膜面への適合状態は重合システムの選択とその特徴を生かすことにより高い精度を得ることが可能である。しかし、咬合状態に関しては、重合後のリマウント、咬合器上での咬合調整が不可欠である。 そこで、ここではコンデュロフォーム陶歯を用い、図9‐40i、j イボカップシステムの試料である。イボカップも100℃で加熱重合するが、重合方向が唇頬側から進み、約35分間で完全に重合を完了させる。その間重合によるレジンの収縮分はつねに填入圧によって補充されるが熱収縮に関しては、このように発現する。イボカップシステムではこの熱収縮量は模型材の膨張(約0.6%)により補償されるシステムとなっている。ij図9‐40g、h DS重合は加熱重合レジンではあるが、ヒートショックタイプのレジンによる片面均一重合により常温重合タイプのレジン以上の適合精度を示す。gh図9‐40e、f イントプレスは、常温重合タイプのパラプレス・バリオというレジンをモチ状になった時点で、自動的に90気圧という高圧で填入する。加熱重合とは違った成形状態を示していることが観察され、重合用模型上にも良好な適合精度が得られるので、金属床のレジン重合には最適といえる(この試験片はパラジェット改でレジン填入、重合したものである)。ef図9‐40c、d 65℃で重合した試料を後方から観察したところ。35℃重合温度が低いことによってこれだけの違いが生じる。cd

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