アストラテックインプラントのすべて
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15CHAPTER 1 アストラテックインプラントを知る2345786CHAPTER1図1 二酸化チタンによるブラスティングにてインプラントの表面が5~20μmのピットサイズの均一な粗造面になっている.B : Imaginary caseFiFiFracture planeA : Real caseFrFrFracture planeNormal boneReduced content of collagenand/or mineralMuch reduced content of collagenand/or mineral10.80.60.40.20Pn effectivityfactor1L(0.4μ)2L(0.8μ)4L(1.6μ)10L(4μ)20L(8μ)40L(16μ)Assumption:L=0.4μti=fpe・fpd・td0.4μBoneImplantD図2 大きな荷重を受けることのできる有効な骨接触面積をマシーンサーフェイスに比較して3倍もの面積を得ている.図3 酸エッチング処理のような超微細な粗造面では,そこに嵌合した骨は微細骨折を起こすため,かかる大きな荷重を受けることができない.2. アストラテックインプラントの特徴 アストラテックインプラントには,本章扉ページのシェーマに示すとおり,〔Astra Tech Bio-Management ComplexTM〕と称する4つの大きな特徴があり,それぞれの機能が単独および複合的に辺縁骨の吸収を防ぐことに大きく寄与している.このインプラントは,他社のインプラントの手本となり,類似する機能を付与したインプラントシステムも出現しているが,いまだその追随を許してはいない.2.1. TiOblastTM処理 二酸化チタンによるブラスティングにてインプラントの表面を5~20μmのピットサイズの均一な粗造面にすることにより(図1),大きな荷重を受けることのできる有効な骨接触面積をマシーンサーフェイスに比較して3倍もの面積を得ることで,強固なオッセオインテグレイションの獲得に成功している.また,酸エッチング処理のような超微細な粗造面では,そこに嵌合した骨は微細骨折を起こすため,かかる大きな荷重を受けることができないことから,TiOblastTM処理は酸エッチング処理よりも優位であるとされている(図2,3). さらに,二酸化チタンのブラスト処理を用いることにより,仮にブラスト粒子が残存したとしても,インプラントのオッセオインテグレイションを阻害することはない.また,TPS(チタンプラズマコーディング)のように,インプラントの径を増加させないために,埋入窩の骨に対してコンプレッションを与えることなくインプラントを埋入することが可能となる. そして,最大の特徴は,インプラントのネック部までこのラフサーフェイス処理が行われている点である.ネック部にまでラフサーフェイス処理を行い骨へ微細な刺激を与えることにより,また後述するMicroThreadTMとの相乗効果により,Wolff の法則に基づき辺縁骨の吸収を防ぐことに大きく寄与している.

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