技工に強くなる本(下巻)
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67色合わせのエクササイズそのため適切なステインの粘稠度が必要です。 歯の色というのは、だいたい黄色ですが、そのなかでも桃色っぽい黄色か、あるいはオレンジっぽい黄色か、また黄色っぽい黄色などがあります。 桃色がかった歯をオレンジ色がかった歯に変化させるには、まず桃色を消すことから始めます。桃色(つまり淡い赤)の補色は緑なので、桃色の上から緑を塗るとこれで桃色がまず消えます。そのあとに再現したい色つまりオレンジ色を塗布すれば、歯はオレンジがかった色になります。 オレンジがかった色の歯を黄色に変化させたい場合には、オレンジ色の補色である青を塗布して、オレンジ色を消したあとに黄色を塗布すれば望む色が再現できます。黄色っぽすぎる歯の色、桃色がかった状態にするためには、黄色の補色である紫色を足し、歯の黄色っぽさを消し、その上に桃色を足せば、望んだ色が再現できます。 ただし減色システムによる色の修正には、1つだけできないことがあります。それは、補色同士を混ぜ合わせると、グレー(灰色)ができることです。グレーは歯の明度を変え暗くします。そのため補色の数を増やすほどポーセレンはグレーになるので、ステインでシェードを修正するときは、あとでポーセレンの色が暗くなることを覚悟しておかなくてはなりません。そのためシェードは、少し明るめの色を選択します。 2色以上のステインを使う場合には、あらかじめステインを混ぜておくほうが便利です。ステインは積層すると、色にムラが生じますから塗布するステインをブレンドして1回でステインをしてしまいましょう。たとえば黄色っぽい歯をオレンジクラウンの色を変えるときには一度色を中性化して、基本色を消してしまおう

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