技工に強くなる本(下巻)
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190第5部 コンプリートデンチャー5 - 7979 個人トレー製作のガイドライン1.個人トレーの製作のポイント 個人トレーの製作で大切なことは、患者さん固有の口腔内組織を反映させて、より良い精密印象採得が得られるような個人トレーをつくることです。 そのためにはイニシャルインプレッション(Initial Impression・既製トレー)から得られた診断用模型で個人トレー製作のための外形線(辺縁部)の分析を行います。 ただし開口位印象採得法と閉口位印象採得法によって個人トレー製作の概念が異なるので担当歯科医師とのコラボレーションも必要となります。 個人トレー製作時のトレー辺縁部の決定は生理学的、機能的可動粘膜部起始部(筋肉の付着粘膜部)と各小帯部を避けて個人トレーの外形線とすることがポイントです。2.個人トレーの製作とナソメーターMの設定 上下顎概形模型を咬合器に装着後、あらかじめ設定した個人トレー製作の外形線に沿って個人トレーのベースを製作します。このときアンダーカットが生じないようにワックスでブロックアウトを行い、レジン分離剤を薄く塗布します。その後にナソメーターMの設置を行います。 つぎにマウンティングプレートを用いて最初に上顎個人トレーのペースにベー◆ナソメーターMの役割① 閉口位(仮咬合)の印象採取。② ゴシックアーチの描記。③ 患者固有の咬合採得(チェックバイトの決定)。

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