技工に強くなる本(下巻)
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267アバットメントパーツの選択 それぞれに利点や欠点があり、口腔内で選択する方法においては、アバットメント装着時の誤差がないことから、精度的には有利ですが、最終の上部構造体の最終外形からの選択やアクセスホールの方向や平行性など、作業用模型上のようにいろいろな方向から検討できないので、細かなことに配慮した選択はなかなか困難です。その反面、作業用模型上での選択においては、最終の上部構造の形態や着脱方向などを、細かく検討し選択することができます。ここでは作業用模型上でのパーツセレクションを中心に解説を進めていきます。3. セレクションを行う際のチェック項目‐歯科医師からの指示と意向(メーカーとサイズの確認) 歯科医師からの技工指示に従い、スクリューリテイン法であるのか、セメンティング法であるのかを確認します。この際、印象をみただけでメーカーやサイズを判断することも熟練してくればできなくはありませんが、インプラントのメーカー名やフィクスチャーのサイズは明記してもらうと良いでしょう(図93‐3,4)。4.フィクスチャーの埋入深度の確認 作業用模型からガム模型の情報を活用し、埋入深度に合わせ、審美的なことを考慮し、セレクションを行います。このときのセメンティング法は、基本的には上部構造体のマージンの位置を歯肉縁下1ミリ程度に設定しますが、あまり深く設定すると、合着材のオーバーフローしたものが、きれいに排除できなくなります。このことにも気をつけて選択しましょう。図93-3, 4 インプラントレプリカ。同じメーカーでもナロー(細い)・レギュラー(普通)・ワイド(太い)など数種類が用意されている。右図:リプレイスセレクト(ノーベル・バイオケア・ジャパン)。左図:アストラテックインプラント(アストラテック)。

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