技工に強くなる本(上巻)
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64第1部 咬合―歯科技工士に必要な咬合の基礎知識―1 - 77 偏心運動(顆路)の測定法1.偏心運動の測定法の種類 今日臨床で用いられている偏心運動の測定法には、パントグラフ法、チェックバイト法、ゴシックアーチ描記法、電子的下顎運動測定法などがあります。 パントグラフ法は、偏心運動時の境界運動路を矢状面と水平面とに連続的運動経路として記録する口外描記法です。顆路の性状、運動のタイミングと量、作業側顆路(ベネット運動)の方向など下顎の境界運動の全貌を正確に測定する能力をもっています。その測定結果は全調節性咬合器に再現されています(図7‐1〜3)。 チェックバイト法は咬頭嵌合位と前方、左右側方の各任意点を結んだ直線が基準平面となす角度を測定する方法です。顆路のカーブの内側を結ぶ直線が再現されるため、矢状面でも水平面でも測定される角度は実際よりやや緩やかになる傾向があります。その測定結果は半調節性咬合器に再現されています(図7‐4,5)。 ゴシックアーチ描記法は、下顎の側方限界運動時に通常切歯部で水平的に描かれる運動路のことで描記された図形がゴシック建築様式に似ていることからこの名で呼ばれるようになりました。またゴシックアーチ描記法は口外描記法と口内描記法に分けられます。 臨床での応用は総義歯の症例のように上下顎の位置関係がまったく不明となった場合、安静位でのフリーウェイスペースなどを利用した方法で垂直的顎位を安定させたのちに、水平的な下顎位を決定するためにゴシックアーチ描法が用いられてい臨床で多く用いられている半調節性咬合器の顆路の調節にはチェックバイト法です

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