技工に強くなる本(上巻)
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158第2部 クラウン・ブリッジ2 - 1818 埋没と鋳造システム1.埋没(図18‐1〜5) ワックスアップを埋没する際、疎水性ワックスを界面活性剤により親水性皮膜することで埋没材とワックスのなじみを良くすることができます。それが気泡の付着、空気の巻き込みの防止につながる一方、大量に界面活性剤を塗布すると鋳造物のバリの発生につながるので注意が必要です。 とくに、マージン部が延長されたようなマージン部のバリは発生が多くみられますが、界面活性剤の多量の塗布が原因でしょう。ワックスに付着した液状の界面活性剤が埋没により下方より押し上げられ、マージン部分で沈滞し、バリの発生となったと考えられます。それを回避するためには一度埋没した後、速やかに埋没材を埋没リングの半分程度、撹拌カップに戻し再度埋没作業を行うなどの方法があります。 埋没材の膨張は混水比やセラミックリボンの厚みでコントロールしますが、基本的には各メーカーの指示に従います。均一な練和を求める場合、真空撹拌機を使用しますが、カップと撹拌体の間隙は小さく、また埋没材がランダムに撹拌されるものが良いでしょう。ただしクリストバライト系埋没材に比べて、リン酸塩系埋没材はより均一な練和が必要とされるため手練和を十分行う必要があります。 埋没後、加圧プレス機を使用することによって埋没材を緻密化することができますが、間違えてはいけないことは、埋没の際、混入した気泡(空気)は押しつぶされるのではなく、加圧した圧力に体積は比例して小さくなるということです。つま埋没材の膨張は混水比やセラミックリボンの厚みで調整しますが、基本的には各メーカーの指示に従おう

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