技工に強くなる本(上巻)
7/8

254第3部 パーシャルデンチャー3 - 3434 レジン床に審美的な要素を盛り込もう1.義歯のカスタマイズを行う必要性 かなり普及してきたインプラントですが、インプラントで対応できないケースも多くあり、義歯の需要が高まってきているのも事実です。 さらに高齢者が社会生活で人と接する機会も多くなり、人前でしゃべったり、笑ったりしたときに義歯床のピンク色が不自然にみえて、義歯の装着を他人に気づかれたくないという方もいます(図34‐1)。そのような背景もあって、義歯でも審美性が求められる時代となりました。歯肉の色や歯槽粘膜の色調は、天然歯同様に患者さんごとに異なります。 義歯床の床用レジンにおいては、近年、色や透明感などずいぶん改良されましたが、まだ種類が少なく、実際の臨床では床用レジンそのままの色調で、歯肉の色や歯槽粘膜の色調が調和するケースはほとんどありません。とくにパーシャルデンチャーでは口腔内の部分的なところを担うわけで、コンプリートデンチャーに比べ、審美的な要求(要素)が高くなるのも当然でしょう。このことは床の色調だけではなく人工歯も同様です。カツラでも一目でカツラとわかるものが敬遠されるのとまったく同じです。2.床のカスタマイズ―カラーリングの方法 義歯床のカスタマイズでの歯肉色の色調再現法は、大きく分けて2つあります。図34-1 典型的な義歯床のピンク色が不自然。義歯の装着を他人に気づかれることを嫌がる患者も増えてきた。

元のページ 

10秒後に元のページに移動します

※このページを正しく表示するにはFlashPlayer9以上が必要です