技工に強くなる本(上巻)
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255レジン床に審美的な要素を盛り込もう1つは、床用レジンの上にステイン用レジンを築盛するもので、ロウ義歯をフラスコ埋没し、脱ロウした石膏面に重合前に歯肉色の(ステイン材)カラーリング材を築盛して行く方法です(図34‐2〜10)。もう1つは一度重合された床用レジンの上に接着処理を施し、ハイブリッドレジンなどを用いてカラーリング(ステイン)を行う方法があります。 それぞれメリット、デメリットがあり、前者は、最終的な色調が重合後でないと確認ができず、自然な色に近づけるにはかなり熟練が必要です。その点、後者は、前者と違い、仕上がりの色調をイメージしながら築盛ができます。しかしカントゥアを忠実に再現できないことなど、この方法においても自然な色調に近づけるには、やはり工夫と熟練は必要です。3.ハイブリッドレジンを応用したカラーリング(ステイン)法 ハイブリッドレジンを用いたカラーリング(ステイン)法は、仕上がりの色調を比較的イメージしやすい方法です。歯肉部の調整は一度歯肉形成を通常に行った後に、カラーリングを施す際に必要な材料の厚みを確保するため、約0.5〜1.0ミリ程度の歯肉部のカットバックを行います(ただしボーダーは触らない)。歯肉部のカットバック後に、ロカテック処理などの適切な接着処理を行います。接着処理についてはメーカーの指示に従い、接着処理の材料が厚くならないように塗布します(図34‐11〜20)。図34-2 従来から使用されているロウ義歯をフラスコ埋没し、歯肉色のカラーリング材を築盛する材料は、マイキーデンチャーカラーリングセット(ニッシン)がよく使用されている。

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