知りたい・聞きたい歯科矯正
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34診断・資料採得に関するQ&APART 1気道の狭窄は,何ミリ以下が狭窄なのですか?A何ミリ以下と単純に決められるものではないと思うが…気道Q11uestion槇:何ミリ以下と決められるものではありません.いろいろな見方をしますが,まず口腔内をみてみて,扁桃*1が腫れてないかどうか,アデノイド*2の状況はどうか,通常のものと違った腫脹とかがないかということを確認します.セファロは静的な情報なので,一時点の情報ということを頭においてみていただきたいのですが,スムーズなラインが出ていないとか,喉頭・咽頭の後壁が前方に大きく張り出していないかとか,そういうラインをみながら総合的に判断します(図11-2). 特に気道の狭窄で大事なのは,舌の動かし方,舌の位置が異常な場合には,狭窄の有無について気をつけたほうがいいと言えます. それと,もちろん鼻の通気,鼻の通りがどうかとか,そういうのを総合して判断して,気道の狭窄が起きているから舌がどうなっている,という推測をします. CBCTでみますと,非常にわかりやすい.側方セファロでみて正常そうにみえても,横から圧平されている場合も多くあります(図11-3).中島:私は,この気道というものを,そもそもセファロだけで判断するのは難しいと思います.気道という区分ではなくて,鼻咽頭気道というふうに上から下まで,途中まですべてを含めたほうがいいと思います.だから,そこには,鼻粘膜の肥厚とか扁桃やアデノイドの大きさとか,形態的変化もあります.静的なセファロでも,「カ」を発音させてみると,軟口蓋の動的な変化の一部をみることも可能です.キーワード気道:[英] dirway,respiratory tract.鼻腔,口腔から咽頭,喉頭,主気管支,気管支,細気管支,終末気管支までの空気の通り道(導管).ガス交換にあずからない.分泌細胞や繊毛細胞があり,異物が肺腔に入らないような防御機構が存在している.図11-1 口蓋扁桃およびアドノイドが正常な口腔内.*1扁桃=口蓋扁桃(従来,扁桃腺と呼ばれていた)*2アデノイド=咽頭扁桃

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