知りたい・聞きたい歯科矯正
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113各種機能に関するQ&APART 3中島:頭頸部の筋肉の過緊張がみられるような症例であるならば,咬合が関与している場合もあります.ただ,それは一般の普通の矯正治療だけで,必ず対処できるかというとそうではないですね.槇:確定診断を言っておいたほうがいいですよね.中島:まずそれを言うべきだと思いますね.槇:何割かの人では,咬合が深く関連しているでしょうが,すべての肩こりが矯正や咬合治療で治るとは絶対に言えない.中島:一般の歯科治療や補綴治療,矯正治療により,起こったと言われる場合もあるしね(笑). NIH*が発症機構に基づいた分類を発表したが,必ずしも明確なものではない.たとえば,頭痛薬にしても非器質性疾患により生ずる片頭痛,緊張性頭痛,群発頭痛およびその他の三叉神経,自律神経性頭痛,その他の一次性頭痛を軽減する薬物などいろいろある.GABCDEFA. 歯の咬耗B. 歯髄炎C. 歯の動揺D. 咀嚼筋痛E. 顎関節痛F. 耳の痛みG. 頭痛図4-1 ルネッサンスの象徴としてのレオナルド・ダ・ヴィンチの人体図.外側の円は臍を中心として半径で描かれ,内側の正方形は上肢を広げた幅と高さである(Robert Ricketts.Provocations and Perceptions in Craniofacial Orthopedics Dental Science and Facial Art/Parts 1 and 2 .Denver:RMO, Inc, 1989;76,Fig.3.1より転載).*NIH(National Institutes of Health)=米国国立衛生研究所図4-3 咀嚼システムが負担過重となった場合の主な症状.上気道の変化・鼻腔・鼻気道の障害 (口蓋扁桃肥大) (アデノイド肥大) (下鼻甲介の肥大) (鼻炎) (鼻中隔湾曲)歯列の変化・上顎歯列弓の狭窄・開咬の発現・上顎前突の増悪化・反対咬合の発現 etc.神経筋機能の反応・口呼吸・舌の突出癖・低位舌・無力唇 etc.骨格の変化・顔面平面角の開大・下顔面高の増大 etc.図4-2 上気道の機能と顎顔面の成長との関係(Bushey RS.F.O.R.at preconference meeting,1984を参照).

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