ビジュアル歯周病を科学する
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45歯周病の疫学とリスクファクターCHAPTERCHAPTER2歯周病病因論・感染因子CHAPTERCHAPTER3歯周病病因論・宿主因子CHAPTERCHAPTER4病因論の臨床へのサイエンストランスファーCHAPTERCHAPTER5歯周病の発生CHAPTERCHAPTER1骨吸収の進行(骨の吸収>添加)破骨細胞前破骨細胞分化促進活性化促進基質産生抑制TGFβBMP産生抑制分化抑制前骨芽細胞結合組織破壊の進行PGE2IL-1TNFαMMPs酵素の放出炎症性サイトカイン・メディエーター歯周組織構成細胞免疫担当細胞細菌性刺激細菌性バイオフィルム図4 歯周病による歯周組織破壊のメカニズム。 歯周病による歯周組織破壊は、細菌に由来する酵素やビルレンス因子などの直接的な作用によっても生じるが、むしろその主体をなすのは、生体が細菌由来の刺激に対抗するために局所で産生する酵素や炎症性メディエーター、サイトカインなどの作用を介した組織破壊であると考えられている。結合組織の破壊は主に、好中球のファゴライソゾームに由来するセリンプロテアーゼやエラスターゼ、歯周組織構成細胞が産生するMMPsによって生じる。また骨吸収は、マクロファージや活性化リンパ球、歯肉線維芽細胞によって炎症性メディエーターやサイトカインが過剰に産生された結果、骨の吸収と添加のバランスが崩れることで進行すると考えられている。

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