インプラント歯科における骨再生誘導法の20年
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骨再生の生物学的基礎2は欠損の周囲の骨髄から発生した細胞をともなっていた.骨髄は,脂肪生成能,軟骨生成能,骨生成分化能をもつ成人間葉幹細胞を含んでいる56.皮質骨や海綿骨の切断表面から網状骨が生じる.その形は,薄い二股の板状である(図2-29).一次海綿骨の足場の際だった特徴は,血管網と完璧に相互嵌合していることである.すでに述べたように,血管新生と十分な血液供給は骨の発生と維持に必須の条件である.図2-28.血腫の器質化と網状骨形成.血管と骨形成細胞がかつての血腫部へ侵入し(右側),網状骨の足場を形成している(ゴールドナートリクローム染色).図2-30 一次海綿骨網が皮質骨および海綿骨へ移行している.(a)2ヵ月後,海綿骨網は骨再生の中心部より辺縁部のほうが中心部よりも密度が高い.(b)4ヵ月後の皮質骨と二次海綿骨.辺縁の緻密骨層は骨稜と正常な骨髄をもった海綿骨と明瞭に境界されている(トルイジン・ブルーおよび塩基性フクシン表層染色).図2-29 骨形成部の最前線では血管(BV)と外向性に形成された骨稜は緊密に結びついている.類骨の配列は赤く染色され,石灰化骨基質は緑に染色される(ゴールドナートリクローム染色).38abBVBVBV

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