インプラント歯科における骨再生誘導法の20年
6/8

抜歯部位へのインプラント埋入7題があったため,不成功に終わった.この酸化アルミニウム・インプラントでは,主にインプラント破折による失敗や合併症が高頻度に発生した2. 1980年代後半,GBRの技術が導入され,抜歯当日に実施する即時インプラント埋入や,数週間の軟組織治癒期間後に行う遅延インプラント3,4もしくは,早期インプラント埋入を含む抜歯部位へのメンブレンを利用した新たな外科的技術が提唱された5.これらの技術は前述した抜歯部位へのインプラント治療のうち,二次目的の解決を目指すことができるものであったため大いに注目されて,長年にわたりインプラントの残存率に関する症例報告や臨床研究の論文が非常に多く出された6-9. 近年,International Team for Implantology(ITI)は,ITIコンセンサス会議において抜歯部位に埋入されたインプラントについての既存の科学的証拠に関する最新の文献を2度にわたりレビューした.最初のレビューは,2003年8月,スイスのクシュタートで行われ,臨床的推奨例と文献レビューとともに会議議事録の出版につながった10,11.このなかで,インプラント埋入のタイミングについて,タイプ1~タイプ4から成る分類が発表され,また,抜歯窩に埋入したインプラントが,抜歯窩治癒後に埋入されたインプラントと同等の生存率を示したと結論づけた.しかしながら,2003年以前における審美性に関する研究・調査は少ないことも指摘された. 抜歯後のインプラント埋入タイミングについての分類は,ITI治療ガイド第三版12および,2008年8月にドイツのシュトゥットガルドで開かれた最近のITIコンセンサス会議事議録に記載されている13.この分類は,どちらの出版物でも臨床医がさまざまな治療の選択肢に対する理解を深めることができるよう,詳しい説明つきで拡充されている(図7-1).図7-1 抜歯後の部位におけるインプラント埋入の4つの選択肢.15404~8週12~16週6ヵ月以下治療選択肢タイプ1抜歯即時インプラント埋入タイプ2軟組織治癒を待った早期インプラント埋入タイプ3部分的な骨治癒後の早期インプラント埋入タイプ4完全な骨治癒後の遅延インプラント埋入

元のページ 

10秒後に元のページに移動します

※このページを正しく表示するにはFlashPlayer9以上が必要です