こうすれば防げるインプラント周囲炎
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インプラント周囲炎を起こさないためのアバットメント形態3章2インプラント周囲炎を起こさないための埋入深度3章1インプラント周囲炎が起こりにくいデザインとは?2章2辺縁骨吸収が起こりにくいマクロデザインとは?2章1罹患率の高いインプラント周囲組織の疾患1章2インプラント周囲炎に対する確実な治療法はない1章1インプラント周囲炎は、対処より予防せよ!1章1-1-1 インプラント周囲炎の診断 インプラント周囲炎(peri-implantitis)はインプラント周囲組織の慢性感染症であり、支持骨の吸収を伴う疾患です。周囲軟組織の腫れ、発赤を呈し、プロービング時の出血や排膿を生じます。その病態は、慢性の歯周病と類似しています。 また、インプラント周囲炎の前病変として、インプラント周囲粘膜炎(peri-implant mucositis)があります。周囲粘膜炎は支持骨の吸収を伴わない可逆性な疾患で、周囲軟組織に限局した感染です。 インプラント周囲炎の診断指標(図1-1-1)として、特に重要な指標は、X線写真による辺縁骨の検索です。メインテナンス時に、デンタルX線写真を撮影し、経時的な辺縁骨骨頂部の変化を観察することが肝要です(The 6th European Workshop on Periodontology、2008年)。 インプラント周囲組織のプロービングについては、その行為そのものに否定的な考えが存在しますが、歯周組織で行う約半分のプロービング圧(0.2~0.25N;約20~25g)で行えば、インプラント周囲組織のモニタリングとして活用できます(Mombelli A. et al. Clin Oral Implants Res 1997;8(6):448-454)。インプラント周囲炎の診断指標1デンタルプラークの蓄積2周囲軟組織の状態(腫れ、発赤)3プロービングの深さ41234プロービング時の出血(Bleeding on Probing ; BoP)5プロービング時の排膿インプラント周囲溝滲出液の分析6インプラント体の動揺788X線写真による評価(インプラント辺縁骨吸収の度合い)は特に診断に有用な指標The 6th European Workshop on Periodontology のコンセンサス・リポート(2008年)より、引用・改変図1-1-1 インプラント周囲炎は、支持骨の喪失を伴う点で、インプラント周囲粘膜炎と異なる。8

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