アレキサンダーディシプリン20の原則
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21820 • 患者の協力を得ること知りたい矯正医だったらきっと他人の感想を求めるだろう. われわれの医院では, 装置が外れる日に患者と親にアンケート用紙を渡すことにしている(図 20-7). 好意的なコメントを読むのは嬉しいことだが, 否定的な意見は改善が必要な部分を示唆する助けにすることができる. 私の医院の大人用の治療室は“Rainbow Room(当初はここで子どもの患者と一緒に大人も診ていた)”で治療していた大人の患者のコメントによって作ったものである. 大切なことは矯正医が自分自身にとって快適な場所となる医院のなかで, 積極的に前向きな環境を創り出し, 維持することである. 目標は, 親近感, 安心感, 温かさ, 思いやり, プロフェッショナルな雰囲気を保ち, それによって患者が, 最高品質の治療を受けられ, 医院から最高なものが与えられると感じ取ることである. こうして, 矯正医は自分の医院を質の高い治療結果を達成した患者で満たしていく. 環境とは前向きの雰囲気を暗黙のうちに発散するものである. 協力的な患者を生むことは, 最初の電話での会話から始まる. 前もって矯正治療についての情報が書いてあるパンフレットを歓迎の手紙とともに送っておく. 最初の来院時には, 患者は院内の見学ツアーをする(図 20-8). 世界でもっとも美しい音声の1つは, 自分自身の名前が呼ばれる声を聴くことである. HiとかByeと挨拶を交わすことは, 上述した目標に合致したことだし実行もしやすい. 私の医院では, 患者が来たときと帰るときに彼らの名前をみんなが呼べるようにカルテに大きな文字で書いておくようにしている(図 20-9). 非言語的コミュニケーションは患者を動機づけするのに重要な要素である. われわれの医院の玄関を入った所の壁には, “Effort equals Results(努力=結果)”の言葉が掲げられている(原則1). James Allenの引用によるこのモットーは, スタッフメンバーにも患者に対しても医院のあらゆる場面で目に触れるようになっている. ご褒美システム患者に“努力=結果”の精神を身につけてもらうために, 協力が良いと褒美がもらえるプログラムを私の息子のJ. Moodyが考案した. 下記の4項目の“約束(rules)”のリストを患者に渡しておき, 来院のたびに“約束”を守っていたら“木製コイン”を与える. 約束とは, ・ �予約時間を守って来院すること. ・ �良好な口腔衛生状態を維持すること. ・ �良好な協力を示すこと(ヘッドギヤー, 保定装置など). ・ �来院時に“アレキサンダー”Tシャツを着ていること(図 20-10). 所定の数のコインが貯まったら, 患者はそれで展示ケースにおいてある品物を“買う”ことができる(図 20-11). 図 20-8a, 図 20-8b 新患とその親にはオフィスツアーをしてもらう.図 20-9 患者の名前が大きく書いてある治療カルテ.図 20-10 Dr Moodyが患者と母親に治療の説明をしているところ. 患者は特製のアレキサンダーTシャツを着ている.図 20-11 ご褒美の品物がある展示ケース.ab

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