口腔筋機能療法 MFTの実際(下巻)
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30くいしばってしまう癖で、咬耗、知覚過敏、歯の破折、歯周病、顎関節症などの発症因子です5)。また、無意識に上下歯列を接触させているだけでもブラキシズムと同じような影響が生じることが知られています(歯列接触癖 / TCH)6)。ブラキシズムやTCHのある患者は口腔周囲筋の過緊張、舌側縁の歯の圧痕、頬粘膜の白い咬合線などが見られることがあります(図22)。 口唇をなめる癖、もの(タオル、毛布、鉛筆など)を噛む癖、おしゃぶりの常用、楽器の演奏、睡眠態癖、頬杖など歯列に対しアンバランスな圧力を及ぼす習癖7、8)についても、観察および問診によりチェックを行い、どのような習癖なのかを具体的に記入します(図23、24)。 図22a ブラキシズム患者の口腔内。舌側縁に歯の圧痕が認められる。図23 頬杖をしているようす。歯列・顎骨に好ましくない外力が加わる恐れがある。aabb図22b ブラキシズム患者の口腔内。頬粘膜に白い咬合線が見られる。図24 楽器(ファゴット)を吹いているようす。楽器演奏はときとして歯列・顎骨に外力を与えることがある。

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