口腔筋機能療法 MFTの実際(下巻)
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87第4部 レッスン編スラープスワロー(a)Slurp and Swallow with StrawSlurp and Swallow with Straw●目的 水を引き寄せて、舌背の上に集め、のどを使って嚥下する力を養う。●回数 20回●方法 舌を口蓋に吸い上げて、口を開け(図12a)、犬歯の遠心にストローを置き、臼歯を咬合させます。口角から水をスプレーで少し入れ(図12b)、口唇を横にしっかりと広げたまま音を立てて吸い、水を舌背上に集めてから、口唇を開けたままのどを使って嚥下した後、鼻から息をはきます(図12c)。●レッスン時の注意点 口のなかの水を空気と一緒に音を立てて吸い、水だけを口腔内に留め、空気だけを肺に入れる練習であるため、誤嚥の危険性のある患者には行わないほうがよいでしょう。 ストローは直径5mm以下の細めで柔らかいものを使用します。患者によっては、ストローを犬歯の遠心に置くと、下顎を前に出して上下の犬歯でストローを咬もうとするので注意してください。はじめにその患者の咬合状態を確認してからスタートするとよいでしょう。 水を引き寄せる際に、舌尖がスポットから離れないことと、大臼歯のほうから水を集めるようにすることが大切です。これができているか図12a 舌を口蓋に吸いあげて口を開ける。aabb【スラープスワロー(a)の基本動作】cc図12b 犬歯の遠心にストローを置き咬合し、口角から水をスプレーで口腔内に吹き入れる。図12c 口唇を横に広げたまま音を立てて吸い、水を舌背上に集め、口唇を開けたまま嚥下し、鼻から息を吐く。3第1章 基本レッスン/レッスン2

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