審美歯科治療の長期的観点からの検証
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125Part 3 前歯部審美領域における硬・軟組織のマネージメント ─軟組織リカバリー症例からの考察─図16‐a,b プロビジョナルレストレーションのサブジンジバルカントゥアの調整を行うも奏功せず,ブラックトライアングルは改善しない.デンタルX線写真による診断の結果,インプラントと隣接歯間は1.5mm,すなわち歯間乳頭を維持するのに生物学的な距離が確保されており,歯間乳頭の再生は可能と判断した.図17‐a,b 再度の手術の許可をいただき,口蓋側より有茎弁によるローテーションフラップをトンネリングさせ歯間乳頭下に移植した(Pedicle Tunneling Tech-nique:The Quintessence 2009年10月号参照).本法では,縫合は唇側に1糸のみ行えば有茎弁は確実に固定される.また血液供給の点においても有利である.図19‐a,b 術後2日.歯間乳頭のスペースはこの段階で埋めることができた.有茎弁は図のような方法で乳頭下に設置される.歯間乳頭下に移植弁のためのトンネルを確実に形成する必要がある.ここは慎重に行う.図21 最終補綴物装着時のデンタルX線写真.インプラント周囲の骨は維持されている.図20‐a,b 歯間乳頭再建術より4ヵ月後,2008年2月最終補綴物を装着.(技工担当:斉藤 勇氏)図18‐a~c Pedicle Tunneling Techniqueの模式図(上記論文より一部抜粋).詳細は上記論文を参照されたい.egh

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