審美歯科治療の長期的観点からの検証
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1764部 長期予後を見据えた欠損別審美治療の到達点―歯科技工士とのコラボレーション(5年以上経過症例)はじめに 昨今,安易なインプラント治療が国民に不利益・被害を及ぼしているとマスコミを通して話題になっている.このことをわれわれ歯科医師・歯科医療従事者は真摯に受け止め,患者の立場に立ってより良いインフォームドコンセントを行い,質の高いインプラント治療ひいては歯科治療を行い,国民のQOLの向上に寄与する必要があると思う. 今回の企画もそのような事象を踏まえ,審美歯科治療の長期的観点からの検証というテーマが挙げられたものと思われる.本稿では,無歯顎の審美修復の項でのインプラントブリッジについて解説することにする.無歯顎の治療オプション インプラントを応用した上顎無歯顎の治療オプションとして,インプラントオーバーデンチャー(Implant over denture,以下IOD),いわゆるボーンアンカードブリッジ(レジンマテリアルを使用したネジ止めタイプ),最後にクラウン・ブリッジタイプを挙げることができる(表1).IODは,さらにインプラント・粘膜混合支持型タイプとバーを使用して連結したMeso-superstructureを介したインプラント支持型に分類することができ,またクラウン・ブリッジタイプには歯肉色付きのものと歯冠形態のみのものとにわけることができる1).3章:無歯顎における審美修復船登彰芳(石川県開業:なぎさ歯科クリニック)Part 2上顎無歯顎のインプラント治療オプションの選択基準とインプラントブリッジを装着した症例A Criteria of Treatment Options and A Case Report Using Fixed Removal Denture on Mul-tiple Implants in Maxilla Edentulous Area略歴1987年 広島大学歯学部卒業1991年 石川県羽咋市にて「なぎさデンタルクリニック」開業1998年 石川県金沢市広岡にて「なぎさ歯科クリニック」開院2008年 5-D Japanを石川知弘,北島 一,福西一浩,南 昌宏とともに設立所属5-D Japanファウンダーアメリカ歯周病学会(AAP)会員アメリカインプラント学会(AO)会員ヨーロッパインプラント学会(EAO)会員Akiyoshi Funato- Hiroshima University School of Den-tistry, 1986- Nagisa Dental Clinic, private practice, moved to Kanazawa, Ishikawa, Japan, 1998 - present- Founder of 5-D Japan institute 2008-present

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