子どもの歯に強くなる本
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139◆甘味料の選択 糖質の中でも、でん粉や乳糖に比べて砂糖、ブドウ糖、果糖ではプラークの酸度を低下させやすいため、う蝕誘発性の低い甘味料の選択も大切である。 プラークについては、砂糖をエネルギーとして繁殖した菌は不溶性グルカンという自分の住みやすい環境を歯の表面に作り、うがいぐらいでは取り除かれないように強力にくっついてしまいます。そしてプラーク1ミリグラム中に5〜10億いるといわれている細菌は、このバリヤーに守られて酸を作り、歯を脱灰します。さらにこのプラークが除去されずに数日間放置された成熟した古いプラークでは、産生される酸度はさらに強く、かつ脱灰時間も長く続いてしまい唾液の恩恵を受けにくくなります。 したがってプラークコントロールを上手にできるかが重要で、運動能力の未熟な幼児では保護者の仕上げ磨きも大切であり、歯磨きは食後なるべく早く行い、間食の後にも行うように心がけましょう。その際保護者には、就寝中はとくにう蝕の危険性が高まることを理解させるとともに、3歳までに歯口清掃の習慣をつけるようにお話します。 宿主である歯、唾液については、幼若な乳歯の歯質そのものの耐酸性を強化するとともに、脱灰抑制と再石灰化促進に関与するフッ化物の適切な応用が大切です。とくに家庭で使用される歯磨剤、洗口剤などの低濃度フッ化物製剤の継続的な使用によって、口腔環境中にフッ化物を低濃度で長時間保持させることが重要で、これにより、う蝕予防に対し、効果的に作用します。 以上のように間食・食事の摂り方、プラークコントロールの状態、フッ化物の使用がう蝕のなりやすさに大きな違いを作り出しているといえます。そのため、食生活習慣を整えるとともに食べ終わったら歯磨きをする習慣をつけ、歯磨き時には、年齢に応じたフッ化物の応用をすることが大切です。う蝕になりやすいのはどんな子

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