子どもの歯に強くなる本
7/8

290第5部 学童期G 歯の保存に全力を傾けようG 歯の保存に全力を傾けよう99 IPC法(暫間的間接覆髄法) IPC法(Indirect pulp capping method:暫間的間接覆髄法)とは、軟化象牙質(図99‐1)を限局的に一層残して(図99‐2)、覆髄剤を応用することにより、第二象牙質の形成や軟化象牙質の再石灰化を期待する方法です。そのためには軟化象牙質に直接覆髄剤として水酸化カルシウム製剤を貼付し、その上に酸化亜鉛ユージノールセメントとセメント材料(グラスアイオノマーセメント、リン酸亜鉛セメント、カルボキシレートセメントなど)で二重仮封を施し、コンポジットレジンで暫間修復を行います(図99‐3)。その後再度軟化象牙質を除去し、第二象牙質の形成を確認し永久的歯冠修復を施すことにより、生活歯髄を保護し咬合機能を回復することができます(図99‐4)。 臨床的立場からは自覚症状はなく、歯髄に炎症はなく、デンタルエックス線検査でも正常像を呈し、歯髄電気診は⊕に反応し、根尖部の歯周組織は正常です。〈適応症〉 基本的には深在性う蝕が存在し、軟化象牙質を完全に除去すると露髄するため、一層残します。自覚症状がなく第二象牙質の形成と軟化象牙質の再石灰化を期待するものです。〈治療方法〉 歯髄電気診は⊕に反応し歯髄内の健全神経線維の存在により、痛覚があるために図99-1図99-2軟化象牙質軟化象牙質を一層残す

元のページ 

10秒後に元のページに移動します

※このページを正しく表示するにはFlashPlayer9以上が必要です