別冊 日常臨床で必ず使える! 歯内療法克服の一手
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15最新歯内療法のグローバルスタンダードCT値に定量性がないといった欠点も有するとされる1,2. 歯科用CTにより歯根や歯髄腔・根管の三次元的形態のみならず,骨欠損の形態や範囲,さらにはさまざまな解剖学的構造(隣在歯の歯根,下顎管,オトガイ孔,上顎洞など)と患歯との位置関係などを三次元画像として観察可能であるため,診断やストラテジーの決定にきわめて有用な情報がもたらされる(図1,2).根尖性歯周炎の検出頻度がデンタルエックス線写真よりはるかに高いことも実際に確認されている(表1)3. なお,米国歯内療法学会と米国口腔顎顔面放射線学会による意見報告書2では,歯科用CTにおいても適用すべき症例の選択が重要であり(表2),歯内療法の診断目的でルーティーンに用いるべきでないとの見解が提示されているが,これはもちろん,被曝への懸念からのものである.撮影で得られる利益が被曝の危険性を上回るべきであることは,あらゆるエックス線検査の基礎として,当然ながら本検査法にも当てはまることを銘記すべきであろう.形態異常歯(上顎左側側切歯,歯内歯)の歯科用CT像図1a~c 陥入部の形態が明瞭に観察できる.同部をマイクロスコープ下で切削・除去する方針とした.図1の症例の処置図2a 根管長測定時.図2b 陥入部をおおむね削除後のマイクロスコープ像.図2c 根管充填6か月後.abc

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