コンセプトを持った予知性の高い歯周外科処置
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第3章 歯周外科の基本テクニック67図14-1歯間部の歯間水平線維および歯槽頂線維をスピアー・メスで切断.図14-2確実に切離された組織は,ロンジャーで一塊の組織として容易に除去できる.図14-3根面や骨面に残った小さな肉芽組織は,キュレット(Columbia 4R/4L)を用いて確実に除去する.炎症性肉芽組織が除去できれば,出血は少なくなり,廓清処置を行いやすくなる.切開・�離に続いて,歯冠周囲の不良肉芽を含んだ組織を除去する.この処置の結果が術後の経過に大きく影響する.これは,不良肉芽の完全な除去ができなければ,根面を確実に廓清できず,止血も難しく,術野の確保がしずらくなるからである.すなわち不良肉芽を確実に除去することによって,根と歯槽骨との移行部が明示され,術野の止血が可能となり,根面の廓清処置や骨外科などが行いやすくなる.つまり手術の予知性が高くなるのである.歯冠周囲組織除去,不良肉芽掻爬歯 肉[肉芽�爬のポイント]・歯冠周囲線維をメスなどで確実に切断してから(図14-1, 4),できるだけ一塊で肉芽を取り除くようにする(図14-2).結果的にこの方が時間の短縮になる・超音波スケーラーで血液を洗い流すと肉芽組織を識別しやすくなる・キュレットの刃先を骨面に向けてストローク(Toe stroke)すると,肉芽組織を除去しやすくなる(図14-3)・口蓋側の歯肉は根面や骨面に対する付着が強いので,チゼル(Ochsenbein No.2)を用いると切除しやすい・深い骨欠損部では,歯周外科用バーなどを使うこともある(図14-5)[歯冠周囲組織除去,不良肉芽�爬のポイントと術式]

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