「欠損歯列」の読み方,「欠損補綴」の設計
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035CHAPTER1 「欠損歯列」と「欠損補綴」とは?「欠損歯列」と「欠損補綴」をよりよく理解するための重要事項招いた症例です. 「受圧条件」が悪く,力のアンバランスが生じているこのような症例にインプラントを使わずパーシャルデンチャーで対応すると予後が悪いですね.わずか5年で図10bの状態です.【宮地】 一見すると歯がたくさん残っているので,見誤りやすいので注意しなければならないと思います.咬合崩壊した悪化度が進行した歯列なので欠損補綴が難しく,経過も悪いと予測しておくべきですね.【武田】 この症例は下顎の右側に1本インプラントをいれるだけでも「現在のレベル」が改善でき,経過もまったく違ってくると思います.それによって「加圧因子」を消す.【宮地】 遊離端欠損部に義歯をいれたとき顎堤破壊という加圧因子がはたらきだすので,短縮歯列を選択することが「加圧因子」を消すもう1つの方法になります.【本多】 それから中間欠損にすれば,咬合支持がしっかりできる状態になりますからね.しかしブリッジを使って中間欠損に対応する場合は,構造力学的にたわみ・ねじれの量を少なくする工夫が必要ですね.たわみ・ねじれによって遠心側の支台歯を失い,欠損が拡大すると,遊離端欠損になり,今度は咬合支持により悪い影響が出てしまいます.また近心側の支台歯を失うと,欠損のスパンが長くなり,支台歯の負担がもっと大きくなり,欠損が拡大という可能性が高いです. たとえば図11a~xの症例は,の2歯連続欠損にインプラント補綴で対応したものです(図11s~x).以前にの1歯欠損に対し判断を誤って,ブラキシズムや図9a 2000年.下顎両側遊離端欠損症例.咬合支持が4,現存歯数17と咬合崩壊症例.図9b 2009年.にインプラントを配置したことにより,受圧条件を変えて中間欠損とした.義歯の回転・沈下を抑えられる.インプラントで変えられること・変えられないこと①a76543112345674323b7654311234567643236

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