さわる咬合, さわらない咬合
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さわる咬合,さわらない咬合016 誘導歯の3が摩耗し,54が側方運動時に干渉するようになり,それが負荷となったようで,歯根膜が拡大し,揺さぶりの力が加わっているのがエックス線写真でも確認できた(図6c).3が欠けてきたのでそれで冷水痛が3に起きてきたと思ったようである.冷水痛は過去にも何度か感じたが,どの歯かわからなかったという.3の摩耗が気になるようであるが,冷水痛が顕著なのは4である.54の歯根膜は拡大し,このままでは歯周病の進行にともない,部位特異性に歯槽骨の吸収が加速する可能性がある.これは歯の存続にかかわってくる. 54に咬頭干渉が生じているため,干渉部を削合すは希望により対処する.◆ 第一選択は認知行動療法(図8e)とスプリント療法(ナイトガード)◆第二選択はadd onの足す咬合調整(図6~9)◆第三選択で削合の咬合調整◆第四選択として歯冠修復治療(図10)である.レジンで犬歯誘導を回復した症例(図6a~i) 主訴は「歯が欠けてくる」歯の摩耗と,冷水痛(54)である.レジン充填でadd on症例図6a 「歯が欠けてくる」との歯の摩耗と冷水痛が主訴.ブラキシズムによる歯の摩耗が著明である.本人は欠けた3が冷水痛と思っていたようだが,知覚過敏は4であった.5も若干知覚過敏があった.図6b かつては犬歯誘導であったと思われるが,犬歯の摩耗が激しく54に干渉が生じている.図6c エックス線写真所見から,54の歯根膜が拡大し,揺さぶりの力が加わっているのがわかる.図6d 54の干渉部を削合すると,6に干渉が生じるため,3のコンポジットレジンによるadd on(盛り足す咬合調整)を計画し,模型上でwax upを行った.図6e add onのコンポジットレジン充填のためのシェルの作成.図6f シェルを利用し,コンポジットレジンによりadd onする.acebdf

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