さわる咬合, さわらない咬合
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さわる咬合,さわらない咬合070図4j 中心位(以下,CR)・生理的顆頭安定位の上下歯の関係.CR・生理的顆頭安定位でジグを噛ませた上下顎歯の関係で,左右の間隙が均等でないのがみてとれる.この下顎位のまま全歯が均等に接触(CR・生理的顆頭安定位=ICP)するよう咬合調整することは,きわめて困難である.また,多くの健全歯質の削合を必要とすることが模型上のシミュレーションで確認された.add onの調整も必要となる.この症例の発症要因は咬合だけではない.多くの天然歯を削合するリスクを考えるべきと判断した.図4k 早期接触部.患側の臼歯に早期接触があるから,側方運動で干渉があるからと,安易に削合しても,そこだけの問題ではない.咬合の問題が大きければ,7のICPからの干渉を少し削合したくらいの調整では,またいずれ再発する可能性がある.咬合だけでなく今回のTMDの発症には,他の要因とのかかわりも大きいと判断した.認知行動療法,TCHの認識指導で経過をみることとして,咬合はさわらなかった.図4g~i CR・生理的顆頭安定位を検討.CPI(condyle position indicator:顆頭位指示表)で右顆頭は約1mm後上方で,左顆頭は回転,下顎は若干右にシフトしていた.左右のシフトや1mm程度のずれは,顎関節規格写真で見ても,顆頭の位置の問題はとくに判定できない.ghi

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